「悪夢だよ」

「悪夢だよ」

1軒目のリフォーム見積りに約2時間もかかってしまい、
疲れながらも、紹介者と2軒目の見積現場に向かっていた。

疲れのためか、年齢のせいか、頭と目が少し朦朧としている。

「疲れたね」「お客さんと話すのは、気が疲れるよ」と紹介者。
「そうだね。とても疲れるね」と私。

「前から来る、自転車に乗ったおじさん。ペダルのこぎ方が早いね。凄いスピードだ」

「70ぐらいかな?」
「前後かな?」

「最近の老人は引退しても元気だから、良し悪しは別にして、長生きする人が多いね」
時折、町内放送で、身元紹介されてる人もいるけど…

「いいね、体が元気だって言うのは…」
「そういう意味じゃないんだけど…」

「大したものだ。団塊の世代は強い!」
「だから、そういう話じゃないんだよ」


「バイパス高架を自転車で逆走しているおじさんは、久々に見るよ」

「50ccでバイパスを平然と走っている人は、何回も見ているけど」
「車の逆走は、2回見た事があるよ」

「暇だと、ボケちゃうのかな」
「凄いよ。逆走中だから、車と衝突したら…」

「間違いなく、死ぬね 自転車じゃ」
「そりゃ、死ぬよな」

「事故になったら、どちらが悪くなるのかな?車かな?前方不注意かい??」
「体だけは元気だと言うのも、大変だね…」
「悪夢だよ」

※咄嗟に、おじさんの無事を祈った。